乗鞍岳は北アルプスの南端に位置し、標高3026mの最高峰の剣ヶ峰をはじめ23の峰々が連なった総称です。
写真はMt乗鞍スノーリゾートから見た乗鞍岳(右:剣ヶ峰 左:高天ヶ原)
夏山シーズンでは、日本で一番登りやすい3000mの山として有名ですが、冬も天候の見極めと十分な装備が
あれば、日本で一番登りやすい3000m級の山と言えると思います。
ただし、手軽に誰でも登れる冬山ではもちろんありません。
特に森林限界より上は、厳冬期の冬型気圧配置の時は、スキー場が晴れていても強風、吹雪の場合も多く、
天気の見極めがとても重要でしょう。
そんな乗鞍岳ですが、様々な場所の経験者がみなさん口を揃えて、
乗鞍岳はバックカントリーのフィールドととしてとても良いと言います。
【乗鞍岳バックカントリーが人気な理由】
・3000mからのドロップインで眺望最高 写真は剣ヶ峰直下から穂高連峰の望む
スキー場のリフト最上部からツアーコース(スキー場管轄外)があり、2500m付近の森林限界まではアクセスしやすい。
Mt.乗鞍スノーリゾートのリフトトップからツアーコースを登る
その後少しハードな登りになるが、3000mからドロップインが可能で晴れれば、北アルプス、中央アルプス、南アルプスなどの眺望を眺めながら、無木立の大斜面を滑走することができる。
・乗鞍パウダーと言われるほど、雪質が良い(撮影:カフェ・スプリングバンク)
その他
・雪崩のリスクが他と比べて相対的に低い
あくまでも相対的にでありリスクはもちろんある。後ほど乗鞍での雪崩事例を紹介します。
・斜面が比較的緩やか
・経験豊富な地元のガイドツアーがある(後ほど紹介)
・シーズンが長い。12月下旬から5月下旬まで十分に楽しめる
【乗鞍岳のバックカントリーコース】
大きく分けると長野県の乗鞍高原サイドと岐阜県側の平湯サイドがあります。
ここでは、乗鞍高原サイドの紹介をします。(参考:山スキー百山,スキーアルピニズム研究会)
Guesthouse Raichoの冬季アクティビティーマップ 作:Staff Fukiko
☆剣ヶ峰(3026m)
位ヶ原から高天ヶ原と剣ヶ峰の鞍部を目指す。山頂直下は急斜面。
山頂から位ヶ原に向けて滑り降り、その後ツアーコースを滑る。
スキー場最上部から剣ヶ峰まで登り約4時間
☆富士見岳(2817m)
位ヶ原から西寄りの摩利支天岳、富士見岳の稜線を目指す。剣ヶ峰に比べると
斜度は緩い。稜線からは位ヶ原山荘に向けて広いボウル状の斜面を滑る。
ここがパウダースポットとして有名。位ヶ原山荘から先は、車道に沿って
(ショートカットをしながら)スキー場に戻る。
スキー場最上部から富士見岳まで登り約4時間
☆高天ケ原(2829m)
位ヶ原から剣ヶ峰同様に、高天ヶ原と剣ヶ峰の鞍部を目指す。鞍部から高天ヶ原の山頂を
南端まで進む。高天ヶ原尾根の左側を進むように大斜面を下る。ガンガラ沢(前川本谷)
に向けて滑り、樹林帯を降りて前川林道に出てスキー場に戻る。
スキー場最上部から高天ヶ原まで登り約4時間
なお、シーズンについては毎年の12月の降雪次第ですが、雪は降ったとしてもバックカントリーにおいては、整備されたゲレンデのコースではないので、岩場や細かい谷などの地形を十分に覆うだけの積雪が必要となります。Mt.乗鞍スノーリゾートがオープンしていたとしてもバックカントリーにはまだ早い場合があります。例年は年明けがシーズンインとなります(雪が沢山降れば年末も楽しめるかもしれません)。
最新の積雪情報などは以下も参考にして下さい。
日本雪崩ネットワーク 雪の掲示板
そして乗鞍岳に行くなら誰もが絶対にチェックしたいサイトはこちら。ツアーコースや乗鞍岳の最新の状況がよくわかります。
乗鞍大雪渓 Web
【乗鞍岳バックカントリーガイドツアー】
乗鞍には地元の頼もしいガイドがいます!!みなさんとても素晴らしい方々ですよ!!
経験、技術、知識ともに優れており、乗鞍熟練者以外は以下の2つのガイドツアーに参加することを
強くお勧めします!!
☆LittlePeaks リトルピークス
リトルピークスのツアーや料金などの詳細はこちら
☆NORTHSTAR ノーススター
ノーススターのツアーや料金などの詳細はこちら
【バックカントリーに必要な装備】
Yumaの大学の先輩である永井拓三さん(日本山岳ガイド協会山岳ガイド)が解説しているSURF&SNOW
の以下の記事を参考にしてみて下さい。
https://snow.gnavi.co.jp/howto/other/detail/backcountry01/
なお、永井さんもバックカントリーツアーガイドをしています。
TRIFORCEのHPもチェックしてみて下さい。Gwから乗鞍岳でもバックカントリーツアーを行っています。
http://triforce-guide.sakura.ne.jp/
春のバックカントリーについては、以下の記事を参考にして下さい。
乗鞍岳スプリングバックカントリー
【バックカントリー未経験者の皆様へ】
この記事を書いているYumaも2016年2月にはじめて念願の本格的なバックカントリーを体験しました。
その時見た景色は一生心に残る光景でした。まだリフトも動いていない暗い時間から休暇村から登り
はじめご来光を眺めながら剣ヶ峰山頂を目指しました。
この日は絶好の天気で、山頂でもほぼ無風。最高でした。
まだ怖さは体験した事がないので、偉そうなことは一切言えない立場ですが、この日の感動を
できれば多くの方と共有したいので、以下、個人的なバックカントリー未経験者に向けたメッセージです。
かっこいいDVDなどを見ると、凄い斜面を降りてくる映像ばかり目にしますが、あれは相当な方々の、
アドベンチャーで、あの映像がバックカントリーの全てではありません。究極であり憧れますけど笑
ニュースでは、遭難した、雪崩に巻き込まれたなど、危険性のみを伝える報道が多いので、自分には
バックカントリーは無理だ、怖いと思ってしまう事が多いと思います。
もちろん、リスクはあり、怖いと思っていた方がいいでしょう。
なので、自分の力量を過信することなく、十分な装備、経験、知識、技術は必要です。
ただ、そのリスクは経験豊富なガイドツアーで楽しむことで低減できます。
また乗鞍岳は上述の通り、リスクや難易度などで相対的に滑りやすいフィールドと言われています。
よって、スキー、スノーボード共に整備されたスキー場のコース内で、軽やかに転ぶことなく滑れる
技術や、パウダースノーを滑走した経験がある方は、ここ乗鞍でツアーに入り、バックカントリーの
経験が豊富なガイドと一緒にバックカントリーを味わうことが可能なのです!!
そういった意味で、乗鞍岳バックカントリーは、バックカントリー未経験者にとって最高のフィールド
と言えるでしょう。
是非、バックカントリーをこの乗鞍ではじめてみて下さい!!
最後に、危険予知という意味で乗鞍岳で発生した雪崩に関する情報のリンクを貼っておきます。
2010年 乗鞍岳の位ヶ原山荘の近くで大規模な雪崩(1人死亡)
http://lcymeeke.blog90.fc2.com/blog-entry-827.html
2007年 雪崩に遭遇した方のブログ
http://dokaja.com/northern_alps/367/
その他、乗鞍は冬のアクティビティーが沢山ありますので、以下も参考にしてみてください。
Mt乗鞍スノーリゾートで遊ぶ
幻想的な静けさと冒険心を擽る 乗鞍高原スノーシューツアー
冬の山神が降臨!? 上高地スノーシューツアー
スノーシューで遊ぶ 上高地・乗鞍高原
お得なリフト券付き連泊プランはこちら
Guesthouse Raichoリフト券付き連泊プラン