久しぶりにこのシリーズの更新です。
今日ご紹介するのは、Guesthouse RaichoアクティビティーサポーターのM子さん。
アクティビティーサポーターは1年に3回、ここ乗鞍のRaichoに宿泊して頂いたゲストの皆さんのことを勝手にサポーターと呼ばせて頂いております。実はすでに25名もいらっしゃいます。中には1年で10回を超えている方も数名。
M子さんは、ちょうど昨シーズンの今頃の1月に最初に来られて、1年で6回ほど来たことになります。
少しM子さんの紹介を。
50代前半、二人の娘さん(一人は社会人、もう一人は大学生)と夫と暮らし、某外資系家具メーカー勤務。
我々スタッフ一同、M子さんのアグレッシブな活動とストイックさに、いつも尊敬の眼差しで応援させて頂いております。
実は本格的にスキーをやりはじめたのは昨年。もちろんそれまでも家族でスキーに行くこともありましたが、ボーゲン、直滑降だったとのこと。それが、昨シーズンいきなりバックカントリーデビューも果たしたのです。
どうしてそんなことができたのか、少しM子さんのヒストリーをご紹介。
元々子供の頃から地学に興味のあったM子さん、震災の後、某大学の社会人向け通信教育で地球科学コースを専攻し学びを再開。そしてその講座の巡見で箱根の火山を見て歩き、山の魅力を再発見しました。その時出会ったお友達と山梨の山に一緒に登ることになり、そこで夏山にまずはまりました。ツアー会社の登山コースに参加し、なんと2012年冬には冬山装備を整えて、冬山に。地学の知識と、実際の山々のフィールドで生きた地球の姿、歴史に出会えることに感動し、どんどん山にのめり込んでいきました。
学生時代は運動部に所属していたため、身体を動かすことが基本的に好き。日々身体を鍛えながら、テントを担いで北アルプスを縦走するレベルにまで達しました。多少の悪天候でも対処できる技術も身につけました。
2016年8月利尻で山スキーというものを知ることになり、帰るなり10月にバックカントリーの道具をいきなり揃えてしまいました。買ったはいいが、どうやって滑れば良いかわからなかったM子さん、毎年ツアー会社が行っている富士山での冬山トレーニングで、ガイド兼スキーパトロールのMさんに出会い、Mさんがスキーパトロールをしていた乗鞍に来ることになりました。そして、リトルピークスのPJ峰さんとも出会い、机上講習も経て、なんと2017年1月には、乗鞍のツアーコースを少し登って降りてくる体験をしたのです。
山登りはやっていたので、登りはへっちゃらだったらしいのですが、滑りの帰りは撃沈。曲がれず、止まれず、最終的に板を脱いで降りてきました。そこから、ストイックなM子さんの猛練習のはじまり。そして、6月まで乗鞍岳のスプリングバックカントリーを楽しみました。そのシーズンの滑走日数はなんと42日。
注)M子さん、普通に会社員であり、お母さんであり、妻です。
6月に横浜線でスキー板を背中に背負った、50代前半の女子がいたらM子さんです。かっこよすぎです。昨年、まだ試験的にやっていたナイトツアーに参加して頂いたのですが、私はトレースのついた雪道をスノーシューで歩くのに、M子さんは新雪ラッセルが好きなようで、ずっと道を外れてスノーシューでモフモフ歩いていた姿が印象に残っています。その後、夏、秋とそれぞれ1度ずつ、雪のない乗鞍岳をこのRaichoから登りはじめて山頂まで地形を確かめに来ました。
今年は12月から奥原いたるさんのレッスンに参加。12月も苗場など様々なゲレンデで練習をしています。そしてこの後も予定びっしり。乗鞍には何回来るのでしょうか。アルピコの回数券がほしいといつも言ってます(笑)
今の目標は??
「どういう状況でも山を滑れるようになりたい」
とのことです。深雪のドパウダーから、ガチガチの時まで。
4月に八甲田、焼岳、そして5月は乗鞍でスプリングバックカントリーをするようですよ。
ほんとに凄い方ですよね。そして、勇気をもらえます。
やろうと思ったら、いつからでもはじめられる。
M子さんとはFBでつながっているのですが、山に行かない休日は、必ずボルダリングジムに通っています。そして、毎朝の愛犬との散歩は、ザックに18kgの重りを積んでいるそうです。M子さんは山に行く時もザックには18kg以上は荷を背負わないようにしており、その負荷をいつも自分に与えている。
健康な身体と体力があれば、楽しめる。
気になるのがM子さんと家族との関係。ある意味、遊びまくっているわけですよね(笑)
夫とは、結婚する時に、「お互いの趣味には干渉しない」と約束したそうです。子育てに忙しい時も、夫は自分の趣味で遊びに行っても、M子さんはいってらっしゃいと送り出したそうです。だから、今、自分が何をしても、何も言わない。大学生と社会人の娘さんとも一緒に暮らしているそうですが、M子さんは今回も3泊でRaicho泊。娘さんが大きいからご飯はそれぞれですよね?と聞いたら、全てではないが、冷蔵庫に入る分、作り置きしてきているそうです。そしてM子さんは会社に出勤する時は、社食が350円にも関わらずお弁当持参。娘さんのお弁当も毎日作っているとのこと。
「社食に350円払うのであれば、そこを節約して、山のために使いたい」とM子さん。
Raichoでも必ず朝・夜共に自炊。そして今回はなんとデリシアネットスーパーを注文し、チェックインの日に届くという、素晴らしい事例を作っていただきました。
皆さん、Raichoは代理で受け取りしますので、デリシアネット便、ガンガン使って下さいね。
家族関係もお互いを尊重しあってとてもいい感じですね。
ちなみに、下のお子さんが高校生になるまでは、今のような状況ではなかったそうです。仕事と家のことをやっていたら、それでいっぱいでした。と言っていました。この辺は、まだまだ日本には課題がありそうですね。
最後に、こんな質問をしてみました。
M子さんのように、女性1人でもガンガン好きなことにチャレンジして、アウトドアに没頭できるような方って、そんなにいないと思います。(もちろん、M子さんも山のお友達と行動を共にすることもあります)
どうしてそれができるのですか?
「一人で行動できる子だから」
これ、めっちゃ大事だと私も思います。
M子さんは、一人でテント担いで山にも行きます。
多くの山ガールと言われる女性でも、テントを担いで山に登ることはしません。重いし、山小屋泊ならご飯もあって、ご飯や炊事道具を持っていかなくても良い。でもM子さんはそれをしません。なぜでしょうか?
「綺麗な山がみたい、山とすぐ隣で寝たいから」
旅館などもそうですが、ご飯を宿(山小屋)で出すと時間の制約が出てきます。
しかし、綺麗な山の風景って、ある一瞬なんですよね。自然と一体になるのであれば、テントで寝ると自然の中で眠ることができます。テント場ついたら、すぐに炊事をして、ご飯を済ませて、夕日を待ち、仮眠をとって起きたら、満天の星空が見える。朝は自分の行動計画に沿って起きて、支度をして出発ができる。午後から天気が崩れるなら暗い時間から出発。そう、美しい景色を逃したくない、自然を最大限身近に感じたい、余裕を持ったスケージュールで行動したいならテントなんですよね。
このような計画が立てられる、そういう山行ができるのは、自立して生きていける方=サバイバル力がある方だと思います。
そして、何事もそうですが、人が群れると、時間のロスが発生します。
なかなか予定も合いません。予定を合わせたり、一緒に行動するとなると制約が出てきます。タイミングを待っていたら、いつの間にか時間はどんどん過ぎていってしまいます。それでもタイミングが合わせられた時は仲間や家族と楽しめるでしょう。もちろん人は支え合って生きていくのは言うまでもありません。しかし、大事なのは「一人でいつでも行動できる力があること」なんだろうと思います。そうすることで、チャレンジできることの幅が広がり、どんな時も自分がやりたいことだったり、大切にしたいことを選択でき、人生を楽しめる秘訣なのかなと思いました。
M子さん、これからどんな方になるのか、楽しみで仕方ありません(笑)
こちらがついていけない存在になりつつあります(笑)
冬の月曜など、M子さん遭遇率高いので、一緒に自炊したり、遊べるかもしれませんよ。
そして、M子さん、いつもスタッフにパワーを与えてくれて本当にありがとうございます。
Guesthouse Raichoは一人様の旅、大歓迎です。
旅先で自炊にチャレンジしてみませんか?Raichoには設備の整ったゲストキッチンがあります。
最近、日本のファミリーの自炊率が高くなってきています。
冬旅、お待ちしています。
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